タランチュラベビー(海外ではスリング、ジュブナイルとか呼ぶ)の飼育方法を紹介します。↓は動画に起こしたものです。こちらもぜひご覧ください。
動画は馬鹿みたいに長いので飛ばし飛ばし見てください.
飼育容器
国内のお店や通販では大抵プリンカップに入れられて売られています。そのまま飼育してしまって大丈夫です。
ベビーから全長8㎝くらいまではプラスチックのカップのままで飼育可能です。
全長8㎝を越えた個体はプラケースへ移しましょう。空気孔に牙を突っ込んだり、蓋の端に牙を突っ込んでガシガシ孔を広げて脱走される可能性がでてきます。もうそれくらいになるとベビーとは言わず、ジュブナイルなどと言います。
※海外ではベビーに相当する大きさをスリングとも呼びます。
ベビー(スリング)→ジュブナイル→成体(アダルト)という感じ
ちなみに↓はうちのチャコジャイを入れているプリンカップの画像
海外から輸入すると試験管に入って送られてきます。通気性がダメすぎるのでプリンカップに移すといいです。でも試験管にクモが入ってる様ってなんかエモいよね。
床材
床材はヤシガラとかピートモスとかバーミキュライトがおすすめ。百円ショップの園芸コーナーで買えます。
基本的には、それら3つのどれでも大丈夫です。3つ混ぜたかったら勝手に混ぜてください。
ここで少し注意なのですが肥料が入っていないもののほうが望ましいです。
商品名が「野菜用の土!肥料要らずで使えます!」とかだと肥料が入っています。あんまり好ましくはないですね。
湿度・温度
タランチュラの幼体は、乾燥した環境を好む種であっても、多少湿度を高めて飼育した方が無難です。
私がおすすめするのは床材の下半分50%くらいを水で浸す、という方法です。
この時に、いわゆる「霧吹き」は使わず、洗浄瓶やコップを使って床材に水を加えてください。洗浄瓶とは↓のようなもの、これも100円ショップの園芸コーナーとかにあります。
↓の画像では右側から水を加え、左側の底部分にも染み渡っていくような感じ
なぜ霧吹きを使わないのかですが、クモを刺激しないためです。霧吹きに驚いたクモが刺激毛を飛ばしたり、走り回って脱走してしまいそうになったりということは防ぎたいからです。霧吹きを使うよりも、洗浄瓶やコップで静かに水を床材に加えるのが、クモを刺激しない良い方法と考えています。
空気中の湿度を保つために霧吹きのほうが良いのでは?という意見があるかもしれませんが、床材から蒸発していく水分で十分だと考えています。
その分、床材の大部分が常に湿っている状態を目指します。乾燥を好む種類もいますが、幼体の段階では、すべての種類で床材の湿度を高く保って問題ありません。
温度は25℃から30℃くらいにしとけばいいです。
夏場以外はパネルヒーターかなんか必須です。
エアコンで管理するのが楽ですが。
https://蟲の森.com/%e3%82%bf%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%81%e3%83%a5%e3%83%a9/%e7%88%ac%e8%99%ab%e9%a1%9e%e3%83%bb%e4%b8%a1%e7%94%9f%e9%a1%9e%e3%83%bb%e8%99%ab%e3%81%ae%e4%bf%9d%e6%b8%a9%e6%96%b9%e6%b3%95/
水やり
ぶっちゃけエサと床材からの水分で十分です。
過剰な水分補給やら、水容器設置はしなくていいです。
エサやり
エサは、クモの体長より少し小さなサイズのコオロギやデュビア、レッドローチ、ミルワームが良いです。与え方はクモの目の前に落とすだけです。
通常飛びついてくると思いますが、エサの反撃を防ぐために、餌の頭をつぶして弱らせてから投入するのが安心です。特にコオロギの場合。
飛びついて来ない場合は、エサを少し切り開いて置いておきましょう。このような方法を置きエサと言います。
私がおすすめするのはコオロギやデュビアをピンセットなんかでちぎって与えるという方法です。うちでは、デュビアを繁殖させているのでデュビアベビーをよくちぎります。ピンセットを閉じたままぶっ刺して、その後にピンセットを開くと中の肉が外に出てきていい感じです。小さなクモでもよく食いつきます。コオロギなんかは脚を切って与えるとちょうどいいのではないでしょうか。
ピンセットは小さめのやつを使います。
アマゾンだとこういうのが売ってますけどぶっちゃけ高いので、100均で買えばいいと思います。
エサを与える間隔としては、とにかく食べるだけ与える事をオススメします。
別に大きくしたくない場合でも、3日置きくらいのペースで、体長より少し小さいぐらいの量を与えましょう。与えた次の日に残していたら回収するべきです。ぶっちゃけめんどくさいので次の餌の日までほっといても問題なさそうですが。
パワーフィーディング
食べるだけ与えて太らせて、一気に育て上げる方法のことをパワーフィーディングと言います。
南米産の大型種(Grammost属、Lasiodora属、Brachypelma属など)や、ツリースパイダー(Poeciloteria)の類には使えます。
【2020/09/02修正追記】すべての種でパワーフィーディングしていいと思います。
エサをたくさん食べさせる工夫として、あえて小さなケージに閉じ込めて飼うという方法もあります。これにはメリット、デメリットがあって
タランチュラがエサを見つけやすいので成長を早められる
・ケージが狭いので蒸れる可能性が高くなる
・〃食べカスから出るガスが生体に悪影響を与えやすい
一気に育て上げたいと言う方にはお勧めできますが、食べカスをすぐに撤去するなどこまめに管理してください。
拒食・脱皮
餌を食べなくなったら脱皮前か満腹かのどちらかです。
(クモの具合が悪そうであれば湿度か温度、床材の劣化を疑ってください。)
拒食が始まったらエサを取り除いて様子を見ます。
腹部の刺激毛を飛ばす種の場合、飛ばした後の禿げあがった部分が黒くなっているようであれば、そろそろ脱皮しますよという合図です。
脱皮は通常仰向けになって行われます。
もし、うつぶせで脱皮しようとしているのを見つけたらピンセットなどでゆっくりとひっくり返してください。
うつぶせでの脱皮はかなりの確率で失敗し、死にます。
脱皮が終わったら、通常2日~3日おいてエサを与えます。
死因
タランチュラはベビーであっても絶食に非常に強く、家では飢えが直接の死亡原因と思われる例は一度も無いです。
たいてい「乾燥・蒸れ・脱皮不全」のどれかが死亡原因です。
こまめなお世話がめんどくせえな?
こんな感じで飼育していれば、脱皮を繰り返して成長します。
早いもので1年半、遅いものだと5年~7年ぐらいかかって成体になるはずです。
やたら成長が遅い個体とかも中にはいたりしますが、まぁ多くの原因はエサの量に起因すると思います。エサの量が少ないと、矮小化したり、小型のメスになってしまったり、本来育つサイズまで育たなかったりしますので、クモがエサを求めている間は、エサを切らさないで与えた方が無難です。脱皮毎にジャンジャン大きくなって行く様は見ていて楽しいですし、それが飼育の醍醐味でしょう。
成長過程はいいから美しい成体が欲しいってんならさっさと成体とかサブ成体を買ったほうがいいです。まあ値段が10倍とか変わっちゃうかもだけど。その費用はベビーが成体になるまで毎日餌を食ったかチェックして、なくなってたら与えたり、環境に気を使う分の手間賃です。それを1万、2万そこらで買えるのであればぶっちゃけ安いと思いますよ。
まとめ
飼育方法が分からねえつって知恵袋でめっちゃ質問してる人いるけど、湿度と温度が悪くなけりゃ死なないです。
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