世界三大奇虫の一角であるサソリモドキ(ビネガロン)の飼育方法を紹介します。(他の三大奇虫はヒヨケムシ、ウデムシです。)
日本にも二種のサソリモドキが生息しています。
奄美大島で見られるのが、アマミサソリモドキ。
石垣島、西表島に分布するのがタイワンサソリモドキです。
かなり似ているのでぱっと見、判別は少し難しいです。
記事の最後で少し解説します。
北アメリカ西南部に分布するビネガロンとしてテキサスジャイアントビネガロンがいます。
日本の2種は体長5㎝くらいなのに対し、こいつは7㎝くらいあります。目に見えて一回り大きいです。
あと尾節が日本のより赤い?感じがしますな。
飼育方法としては日本のもアメリカの大体同じ湿度高めで。
ダイオウサソリと似た環境になります。
寿命は7年くらいです。
飼育容器
プラケースがいいです。体長の3倍くらいあれば十分です。
クリアスライダーは見た目がきれいで観察がしやすいです。空気穴が小さいので蒸れに注意してください。追加の空気穴を開けるか、暖房器具から少し離しましょう。
湿度・温度と床材
湿度は高めにしてください。70~80%くらいでしょうか。
床材が常に湿っているくらいにはしてください。
水入れを設置した側半分を濡らし、もう半分は水を加えないようにすると湿度勾配ができて好ましいです。
温度は25℃前後にしておくのがよいです。20~35℃くらいまでなら耐えます。もちろん耐えるだけでそんなに好ましくないです。夏場以外はパネルヒーターかなんか必須ですね。温室で管理するのが一番楽です。
床材はピートモス、ミズゴケ、ヤシガラ、バーミキュライトがおすすめ。特にバーミキュライト、ミズゴケは保水力が高いです。ミズゴケを使う際は、薬品がついている場合があるので一日水に浸して使ってどうぞ。
ダニが発生した場合は燻炭を10%ほど混ぜると良いです。燻炭はサソリモドキにも影響を与えることがあるので、少しずつ、自己責任でお願いします。
5㎝も敷けば十分だと思いますが、たっぷり敷いてやると穴を掘る様子を観察できます。
給水
常に湿らせておけば、なくてもいいです。
おぼれないような浅い水入れをつかったり、水入れにミズゴケをぶちこむなどして溺れないように配慮してください。
エサ
コオロギやデュビア、レッドローチ、ジャイアントミルワームが良いです。
日本の2種に関してはダンゴムシも食べます。そこらへんで拾ってきてみてはいかがでしょうか。犬の糞がついている可能性があるので私は絶対やりませんが。
週に1回くらい、はさみの大きさくらいのやつを一匹ケースに投げ入れとけばいいです。
お腹がへっこんでたら早くエサくれや合図です。
コオロギを手で掴みたい人以外は↓を買うんだ。
本来は水草を掴む用のピンセットだけどめちゃ長くて使いやすいです。
10cmくらいのピンセットだと間違って指噛まれますからね。
2個のうち1個はお箸にでもしてください。(27cmピンセットの単品が売ってない)
脱皮
サソリと同様脱皮をします。
脱皮直後は真っ白いので黒くなってから給餌を再開してください。
多頭飼育
広い飼育ケージなら可能です。
特大プラケースに3匹くらいまでならいけるでしょう。
多頭飼育する場合は必ずシェルターを飼育頭数分準備し、エサをできるだけ与えてください。とりあえず与えてみて、食べなかったら回収するくらいの姿勢で。
隠れ家、シェルター
別になくてもいいです。
卵を産ませたい場合と多頭飼育している場合は使ったほうがいいです。
コルクバーグや割れた植木鉢、石を用いるのが良いでしょう。
特に日本の2種の場合、石の下に潜っているところを発見されるのが多いです。これらには特に石がおすすめです。
日本の2種の判別方法
かなりマニア向けの項目なのでどうでもよければスクロールしてください。
アマミサソリモドキとタイワンサソリモドキの判別方法ですが、かなり難しいです。
・触肢の桿状突起が外側に反るのがアマミサソリモドキ、内側に反るのがタイワンサソリモドキです。(オスのみ)
画像上(または左)がアマミ、画像下(または右)がタイワンです。八の字っぽくなってるのがアマミ、楕円を半分にしたようなのがタイワンだってよ。
……
まあこの違いが判らなくても飼育はできるから……。
あとメスでは生殖板の刻状紋が異なるらしいよ。
わからん(心の声)。
桿状突起に関しても態勢で変わっちゃうからね。どうしようもないね。
毒?
毒はないんですが、刺激すると腹部先端の肛門腺から強烈な酢の匂いを出します。これは蟻酸酢酸が主成分で、毒はありません。目にだけは入らないようにしましょう。
ビネガロンと呼ばれる所以ですな。
酢 → ビネガー → ビネガロン
まとめ
奄美、石垣に繰り出して石をひっくり返してみよう!
奇虫販売
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