タランチュラ

タランチュラの繁殖 ~準備編~

(タランチュラなどでは精子の受け渡しを交尾ではなく交接と呼びますので覚えていてください,詳しくは検索してね)

【追記】動画を作りましたのでよければご覧ください↓

ペアの準備

繁殖は雌雄を用意するところから始まります。雌雄判別の方法は↓をご覧ください.

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また,それら2匹は別の血統であることが望ましいです.つまり,同じ親から生まれた兄弟姉妹や親子であるような場合には交接させるべきではありません.別血統の個体を用意するのは近親交配をできるだけ防ぐためです。

この赤枠の中は読みたい人だけ読んでください.

タランチュラが特に近親交配に弱いとする人々は,その根拠として

そもそもタランチュラは雌雄の成長速度が大きく異なるため,メスが成熟する前にオスが死んでしまう→自然界では兄弟姉妹間の交接することは自然では起こりえないから

というものを挙げます。飼育下ではメスの成長をり促進させ、オの成長を緩やにすることで、 同じ卵から生まれた兄弟姉妹間での配が可能になってしまうのですが、兄弟姉妹間で子供をとると、7代目からともに成張しないといわれています

ただ,筆者のまわりで,ある種類を母親&息子や祖母&孫での交配を5代続けたが目に付くような悪影響はなかったという友人がいます.タランチュラの近親交配について影響がどの程度のものか検討の余地はまだある,というのが筆者の考えです.もちろん避けられるならば避けるのが無難ですが.

交接前の準備

メスの準備

メスをプラケースなどの小さいもので飼っている場合は、面積の広い交接しやすいケースへ移動させます。タランチュラの成体3匹くらいがゆったりできるくらいのスペースがあるのが理想です.

そこを住処としてもらうために、移動させてから最低でも2週間程度は様子をみる必要があります.このことから、オスの寿命が非常に早く尽きてしまう種類では、予めメスを繁殖用のケースへと移動しておくことが欠かせません。この状態でメスにはなるべく多くの餌を与えておきますが、満腹になったまま 2週間が経過することは望ましくなく、交尾をさせる前々日あたりに腹八分目あたりを目安にします。

最適なのは脱皮直後のメスです.交接後,卵を産むまでにメスが脱皮をすると,精子が脱皮殻と一緒に外れてしまい有精卵を得ることができなくなります.脱皮直後は次の脱皮まで最も長い期間を確保できる時期なので,最適な交接時期であると言えます.

「tarantula mating」の画像検索結果

オスの準備

オスのほうは、見合わせる前に精子網(スペルマウェブ)と呼ばれるものを張ったかどうかをチェックする必要があります。

オスは、底度と壁面を使いンモックのような精子網と呼ばれる巣つくると、その下に仰向けに潜り込んで、腹部からその巣に精子を吹きけます。その後、オはぐるりと這い出て、生殖器を精子を吹付けた精子網に何度も突くように接触させ、生殖器の中に精子を取り込みます。この作業は夜間に行われ、昼間になると子網は取り除かれてしまいます、きれいなプラケースに入れておば、壁面に巣を張った後が残ので、張ったかどうかを判断することができます

張った精子網に精子を吹き付ける様子↓

精子網は、タランチュラが普段の生活で貼るような網(食事や脱皮の時の網)とは形状が違います。普段の網は、タランチュラがその網の上で食事や脱皮をするために敷くものでシートなどの形状に近いです。対して、精子網は網に精子を吹き付け生殖器に取り込むために立てかける(?)ために、下に潜り込めるようにハンモックのような形状になっています。

↑脱皮直前のタランチュラ、上に乗るための形状
↑精子を吹き付けるタランチュラ、下に潜るための形状

精子網を張る前後に、餌を食べるようなら餌を与えておことも大切です。非常に珍しい例ですが、オに食い付いてしまった例があります。オスが精子網を張たことを確認したら、交接の準請はできたと判断します.

交接タイプの確認

交接の前に確認したいのが,「繁殖させたい種類の交接タイプです」

交接の仕方に3つパターンがあります.大きく分けると

  • 遭遇タイプ
  • 訪問タイプ
  • 同居タイプ

があります.

遭遇タイプ(主に地表性)

遭遇タイプは、オスがメスを探して徘徊、メスをつけたらそこへ近づき、交接。その後にオスはメスの元から離れていくタイプ。自然界では,タランチュラは住処を持ちますが,飼育下において住処らしい住処を作らない種類(主に地表性と言われる種類)をこのタイプに分類します.このタイプでは接触は一瞬で終わります

訪問タイプ(主に樹上性、地中性)

オスがメスの巣を探して近づき交接するタイプです.状況としては遭遇タイプと似ていますが,巣を作るような地中性,樹上性のタランチュラをこのタイプとします.完全遭遇タイプと同様,接触は一瞬で終わります.

同居タイプ(ポエキロテリア属、ソコトラなど)

同居タイプは、名前のとおり雄雄が長期間にわたって同居すタイルです。途中でオスが巣から出たりることはあるが、一つのケースの中で長い場合で半年~1年同居します。とはいえ、上手く導入してやらないと、メスがオを食べてしまい終わることもあるので、準備をしっかりする必要があります。 グーティサファイアオーナメンタル(Poecilotheria metallica)を始めとするポエキロテリア属(Poecilotheria)、ソコトラアイランドブルーバブーン(Monocentropus balfouri)などがこのタイプに属します。

↑グーティサファイアオーナメンタルのコロニー 同居タイプは繁殖後、ベビー同士での共食いが少ないためそのまま群生させることができる

 

交接に入る前日

どのタイプでも肝心なのは、交接をするペアが互いの存在に気づいていなければならないということです。

タランチュラの感覚は主に振動を感知しますが、そのほかに臭いも確かに感じています。そこで、見合る前の日から、オスを小さいプラスティックケースに入れて、蓋をしたままメスのケースに入れておきます。こうすると、それぞれはかを感じるのか、互いに繁殖可能な個体がいるとを識していると思われます。(そのような挙動があるというだけで、蜘蛛と会話したわけではありません。)

以降,タイプ別の交接手順を個別の記事で説明していきます↓

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同居タイプ:準備中

 

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