タランチュラのオスとメスの見分け方を紹介します。
見分け方には4つありますので順にみていきましょう。
【追記】動画を出しました!脱皮殻を開くコツなど詳しく解説したので、ぜひご覧ください。
目次
生殖器の形を見る方法
腹部を見て、生殖器の形から雌雄を判別する方法があります。
ただ、実際のクモのお腹を見て判別するにはかなり熟練していないとわかりません。
この解決法として脱皮殻を用いることで確実に判別できます。
脱皮殻による判別が一番確実な方法です。
メスの脱皮殻
↑はメスの脱皮殻です。腹部にあたる部分に、熊や猫の耳のような形をしたヒダが見られます。このヒダは、大体体長が4㎝くらいから確認でき、成熟するにつれ分かりやすくなります。
このヒダは、精子嚢という部位(精子を格納するところ)にあたるものです。種類によって熊の耳のような形やキツネの耳のような形のものがあります。ただし、どの種類のメスでもヒダがあるということには変わりありません。
オスの脱皮殻
対して、↓の画像はオスの脱皮殻、腹部にあたる部分です。
オスにはヒダがなく、つるつるしています。
この、脱皮殻を用いる方法がオスメスを見分ける一番手っ取り早い方法です。
脱皮殻の展開の仕方
- 殻を小瓶など入れる
- 界面活性剤(台所洗剤など)を少し垂らし、水を注ぎ放置
- 半日ほど放置した後、瓶を小刻みに揺らし殻を展開させる
- 水から腹部を引き上げピンやピンセットで広げてルーペで覗く
後で気が向いたら画像を挙げます。
また、脱皮してすぐの状態なら脱皮殻が湿っている状態でしょう。
乾く前に取り出せば、界面活性剤を使わずとも展開できます。
体格、色彩による判別方法
上の画像はコバルトブルーの交尾前の画像です。
左がメスで右がオスです。
タランチュラのメスは体格が大きく、オスは華奢で脚が長いです。
また色彩がかなり違います。蒼くなるのはコバルトブルーのメスで、オスは地味な感じに落ち着きます。
ただ、全ての種類でメスのほうが派手になるというわけではないので注意しましょう。
ボリビアンスティーリーブルーレッグ(Pamphobeteus antinous)のペアです。
上がメスで、下がオスです。
体格は、メスがずんぐりしていて、オスがすらっとしているのがわかると思います。
- 体格:華奢なほうがオス、がっしりしているほうがメス、
- 色彩:オスメスで違うが、種類によってオスが派手だったり、メスが派手だったりする。
触肢の先端を見る方法
タランチュラの顔(?)の横にあるのが触肢(pedipalps)です。
性成熟したオスは、触肢の先端が丸く膨らみます。(上の画像)
対してメスは他の脚と同じような形をしています。(下の画像)
オスの触肢は、精子をメスに渡すため、スポイトのようなかたちになっています。それがおりたたまれて丸くなっているのです。
下の画像はオスの触肢。
フックを見る方法
また、オスの第一脚(触肢のとなりの脚)にフック(メイティングフック)が表れます。
画像のemboliは触肢の先端のこと、tibial hookがメイティングフックです。
これは交尾の際にメスに食べられないように、牙を抑え込むためです。
注意ですが、このフックが現れない属、種類がいます。(Theraphosa属など)
これらの種類に関しては他の方法で見分けるしかありません。
幼体の雌雄判別方法は?
脱皮殻には特徴が現れます。
外見の特徴は現れません。あったとしてもちょっと脚が長い気がするからオスかな~、程度です。
おとなしくエサを食わせて脱皮を待ちましょう。
参考文献
http://jrscience.wcp.miamioh.edu/downloads/naturalhistorytarantulas.pdf
https://tomsbigspiders.com/2015/11/08/sexing-tarantulas-using-molts/
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