(↑タランチュラの死骸)
生物である以上、死は避けられません。
しかしながら長いもので30年近く、短いもので7から8年平均すると15年前後も生きるタランチュラでありますから
数年ましてや数ヶ月や数日で死んでしまった場合、その飼育者のミスであると言えます。
また大抵の場合一度状態を悪くしてしまうと立ち治らないことも多いです。
普段からの管理と観察がとてもとても大切です。
ここでは多く見られる死亡原因とその対策について説明します。
オスの成体である場合
これはほぼ間違いなく寿命です。
オスは性成熟してから、半年~2年ほどで死にます。(寿命が種による)
もし性成熟したオスを購入したなら、最終脱皮を終えて既に相当の時間が経っていることも考えられます。
成熟オスを長生きさせるコツは
- 水分を多く与える
- 節食気味にする
という2つです。
特に脱水を起こさせると、短命なものに拍車をかけることになります。
寄生虫に侵されている
野生個体の場合、寄生虫を持っている可能性があります。
しかし寄生虫としても、宿主に死なれれば自分も死ぬことになりますから、むやみに増殖したりはしません。
何らかの原因でクモが体調を崩した時などには爆発的に増殖し、それによってクモが死ぬことがあります。ダニも同様。
効果的な対処法がないので飼育環境を良くして両者の発生を抑え、クモ自体の体調を整える以外にありません。
クモの体長は、脱皮の抜け殻の腹部のあたりを見れば一目瞭然で、腐ったように黒く変色している時には注意です。
人が繁殖させた個体なら心配ありません。
湿度が高すぎる
ソコトラアイランドブルーバブーン(Monocentropus balfouri)やゴールデンブルーレッグ(Harpactira pulchripes)などの乾燥を好む種は多湿に弱いです。
確かに水は必要だが水分補給は小さな水容器を入れる程度にし床材は湿らせないようにしましょう。
これが原因ですぐに死ぬということはないですが注意です。
乾燥しすぎている
多湿を好む種では乾燥させるとあっけなく状態を崩します。
(というかタランチュラのほとんどは湿度が高いほうが良いです。)
また空中湿度や床材の湿度は保たれていても水を飲むことができなければ脱水症状を起こすのでこちらの方も気をつけましょう。
蒸れ
湿度を保つために密閉度の高い容器を使用することがありますが、この時注意したいのが蒸れです。
ぜひ通気の良い容器を使用しましょう。(乾燥種でも)
冬場は良いのですが高温多湿の日本の夏はかなり危険です。
暑すぎる
タランチュラの調子が良い温度は25~32℃くらいです。
35℃くらいでも少しの間なら平気ですが、数時間にわたって続くようでは危険です。
またおそらく40℃を超えるようだと直接死に結びつくと思われます。
ワンルームマンションにお住まいの方は特に注意されたいです。
車移動の際に車内に放置するのも危ないです。
寒すぎる
高温よりも低温の方が恐ろしいです。
一時的にでも5℃以下のところに放置するとすぐには死なないですが調子が悪くなります
10℃以下にはしない方が無難でしょう。
殺虫剤などの薬品
蚊取り線香やブラックキャップなど害虫駆除用の薬品です。
蜘蛛のいる場所でこの類の薬品を使用してはいけません。
まちがってもバルサンとか焚かないように。
また、薬品とは言えないがタンニンは嫌うので、バークチップは床材としてあまりおすすめしません。
餌の逆襲
特に脱皮直後の体皮が柔らかい時に起こりがちです。
まず生きたマウスを入れぱなしにする人はいないと思いますがコオロギは結構危険。
手足の先をかじられる程度なら良いが腹部を襲われると致命傷になります。
生き餌は与えてみて食べないようならケージから取り出すことを推奨します。
置き餌であればよく顎をつぶしましょう。
外傷
手足が取れてしまった場合などそれがたとえ根元からだとしても2~3回脱皮すれば復活するので心配は要りません。
腹部や頭胸部の傷は問題ですです。
この場合は瞬間接着剤か片栗粉で、体液が流れ出すないように片栗粉を傷口にかけて固めてしまい次の脱皮を待ちましょう。
カビ
カビによる死亡も侮れないです。
高温多湿を好む種が多い中、カビも同様にそういった環境を好みます。
目に見えてカビに侵される場合は少ないですが、腹部の裏側にあるブックラング(書肺)蝕まれて死に至るケースがあるようです。
湿度を保つことは大事なことですが同じくらいに通気に十分気を配りたいですね。
幼体の突然死
弱い個体を引いてしまった場合は成長途中で死ぬことがあります。
諦めるしかありません。
生物の幼体はある程度の数死ななければならない個体が含まれています。
考えてみてください。
一頭のメスが大体1000個前後のの卵を持ちます。
それが全部育ってしまえば生息地はクモだらけになってしいますよね。
生まれた幼体は様々な外的に襲われたりしながら数を減らしていきます。
この外敵の中で最も身近なものはおそらく兄弟です。
さほど行動範囲が広いとは思えない幼体たちは共食いすることによって生きながらえていくと思われます。
食べられてしまうのは運が悪かったというだけでなく、最初から動きが遅いとか反射神経が鈍いと言った個体。
淘汰されることによって強い遺伝子を持った個体だけが生き残り子孫を残すことができるのです。
ところが人工繁殖下では共食いを防ぐために弱い個体も強い個体も同様に一匹一匹分けて育てられます。
元々死ぬ運命にある弱小個体も出荷されてしまう。結局のところ、こういった個体はどんなに飼育環境を整えて行っても死んでしまいます。
運が悪かったと思って諦めるしかないです。
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