シカリウスについて基本的な情報と飼育方法を紹介します。
基本情報
- 学名:Sicarius thomisoides(またはterrosus)
- 分布:南米,チリなど
- 値段 ベビー:時価
- 成体:時価(ほぼ流通しない)
- 全長は~5cm程
- 温度目安:25~30℃
- 湿度目安:乾燥
(床材に加水しない,週1で霧吹き1回) - 毒性:強いらしい,少なくともタランチュラよりは強い
- 性質:よく分からない
属名であるSicariusからシカリウスと呼ばれるクモ。
英語ではシックスアイズドスパイダーとも呼ばれます。
チリあたりの砂漠で見られるクモであり,アフリカから輸入されるシカリウスっぽいクモは実はシカリウスではない(主にHexophthalma属のクモ)。「シカリウス」として売り出す業者がいるので,気にする人は注意。気にしない人はシカリウスっぽいクモを飼っといてください。
また,強毒であると噂されており,取扱いには注意しなければなりません。
幸い,タランチュラのように壁を上ることはしないので扱いやすくはある(?)
実はシカリウスは強毒ではない
※結構オタク向けの話です。
長い間ずっとシカリウスと呼ばれるクモたちは強毒であると語られてきました。
スフィンゴミエリナーゼDという強力な毒が消化液に含まれているからという理由で咬まれたら壊死するような症状が出ると考えられていましたからです。
しかし最近の研究で、Sicarius thomisoidesを含むチリのSicarius属の蜘蛛3種の毒液はスフィンゴエミリナーゼDが含まれていない、もしくは最小ということが明らかになりました。
スフィンゴエミリナーゼDを含むのはHexophthalma属(アフリカの偽シカリウス)とブラジルにいるSicarius ornatusでした。
これはつまり,アフリカの偽シカリウスが強毒であることから「シカリウスは強毒」という話が広まったのだと思われます。
まあ何にせよ,「Sicariusが安全」というわけではないので噛まれないに越したことはない。
参考文献:
Venom of the Brazilian Spider Sicarius ornatus (Araneae, Sicariidae)
Contains Active Sphingomyelinase D: Potential for Toxicity after Envenomation
Priscila Hess Lopes, Rogerio Bertani, Rute M. Goncalves-de-Andrade, Roberto H. Nagahama, Carmen W. van den Berg, Denise V. Tambourgi
https://doi.org/10.1371/journal.pntd.0002394
流通しなくなった
もともと流通は稀なクモでしたが,チリの輸出が閉じたおかげで野生捕獲個体が流通しなくなりました。この現象はローズヘアーというタランチュラでも同じことが起こっていますね。
基本的に,今後は飼育者たちが繁殖させた子供が売りに出されるのを待つしかないですね。
飼育方法
飼育容器
プラケースが良いかと思いきや,体が小さいのでプリンカップで良いです。
百円ショップに行ってきてください。
というか購入したときにプリンカップに入っていると思うのでそのまま使いましょう。
床材
床材は爬虫類用の砂がおすすめ。デザートサンドみたいな名前で売られてるやつです。
というか購入したときに砂も入ってるでしょ。何回も言わせるな。
温度・湿度
温度:25~30℃
湿度:乾燥,40%以下
夏場以外はパネルヒーターかなんか必須ですね。温室で管理するのが一番楽です。
乾燥させろとは言いますが、週に1回霧吹きをします。
床材はほっとけば乾燥して,それくらいの湿度になります。
霧吹きの際は,クモにあまりかからないようにしてください。驚いて走り回ります。
給水
水入れは入れないですね。というかプリンカップだと水入れを入れたくても入れられない。
週に1回の霧吹きだけで大丈夫です。
また,エサ虫の体に含まれている水分も摂取するのでそれで問題ないと思います。
給餌
週に1回くらい、咥えられそうなくらいのやつを一匹与えましょう。
水分補給の内,エサからの水分が結構な割合を占めるので,エサ虫自体の水分補給をしっかりやりましょう。ぷりぷりしたエサ虫を与えるようにしたいですね。
2個のうち1個はお箸にでもしてください。(27cmピンセットの単品が売ってない)
終わりに
飼育者はぜひ繁殖を頑張ってほしい。
奇虫販売
当サイトではタランチュラ・サソリの通信販売を行ってます.定期的に更新しております。是非ご覧ください。